2日目朝は5時過ぎに起床。薄曇りですが、当面雨の心配はなさそうです。
朝食は昨日買っておいた石垣島産のパン、チーズとコーヒーで簡単に済ませます。撤収も素早く済ませ、隣でテントを張っていた地元の自転車キャンプの方とお話をしてから出発。
キャンプ場から林を隔ててすぐの場所が海岸です。昨日は暑くて疲れていたので行かなかったのですが、まずはそこに立ち寄ってみます。
サンゴの砂浜です。
出発。伊野田オートキャンプ場、非常に快適なキャンプ場でした。
まずはキャンプ場から国道を北上し、明石という地区を目指します。明石の共同売店で水分補給、さらに予備のペットボトルと塩タブレットを購入しました。ここから先は牛の放牧地帯を抜けるグラベルなのでしばらく自動販売機もないエリアとなるため、備えを万全にします。
放牧地帯の入り口。牛の脱走を防ぐためゲートは必ず締めるのがルールです。
素晴らしい景観が続きます。アップダウンも適当で激坂とかはありません。最高過ぎる。楽園。
途中、牛との遭遇。自分の縄張りに変なのが入ってきて、ちょっとご機嫌がよろしくないようでした。
牛以外にも蝶や鳥など、とにかく生き物を目にすることがとても多く、熱帯の自然の力強さを感じました。
グラベルは大体8kmぐらい続きました。そこからは石垣島最北端の平久保崎灯台を目指しましたが、途中平野ビーチという海岸に立ち寄りました。空と海の青さが鮮烈です。
標高ゼロの平野ビーチから出発して平久保崎灯台手前1.5kmは平均4%、最高9.8%の上り坂です。日差しが強烈なので流石に暑いです。坂を登り切ったところにある駐車場には嬉しいことに自動販売機があったので、水を購入して一休みします。
灯台の手前の一番の高台へは駐車場から徒歩で1分足らずで到着。絶景です。
灯台からは島の西側の道で明石の町まで戻り、朝立ち寄った共同売店の近くにある明石食堂で昼食にします。このお店は八重山そばのお店でとにかくすごい人気です。私が到着した時点で15組待ち。普段は並んでまで何かを食べることはそんなにないのですが、朝キャンプ場を出発してから4時間近く1回も腰を下ろして休んでいなかったので、ちょっとゆっくり休みたかったのと、島の北部は飲食店の数が極端に少ないのでここで食べないとまたしばらくは食べられなくなりそうでしたから、待合のベンチに座ってのんびりと待つことにしました。お客さんは半分以上は地元の方のようで期待が高まります。
思ったほどは待たずに30分くらいで着席できました。あらかじめネットで調べた情報を元に野菜そば(小)にソーキ単品を1枚追加。最初からソーキが入っているそばもあるのですが、結構濃いめのソーキの味でそばのつゆの味が分からなくなってしまうことからソーキを単品で頼む人も多いようです。
注文してから5分くらいで野菜そば登場。その後すぐにソーキも登場。そばはつゆも麺も本当に美味しいです。表現は難しいですが、うっすら鰹風味のトンコツ出汁といった感じですね。素朴な麺との相性がいいです。ソーキは箸で切れるほど柔らかく、油がゼラチン状になっていてプルプル。嫌な臭みは一切なく、甘辛な味付けが豚にぴったり。これは地元の人が並んでも食べるのが分かります。
明石食堂を出て数百メートル南に走ると、2番目のグラベルの入り口です。今度のグラベルは距離は3.5kmと短いですが、車などあまり頻繁に走っていないようで、午前のグラベルと比べると野趣が強い感じがします。路面も若干荒れており、ハンドルを取られて転んだりしないようにやや集中して走ります。
グラベルに入ったあたりから若干雲行きが怪しくなってきています。天気予報では3時過ぎ辺りから雨の予報が出ていましたが、まだ1時過ぎなので大丈夫だろうと思っていました。グラベルの周辺は雨宿りできそうな場所もないし、とにかくまるで人気がないので、ここで強いスコールに振られたら結構怖いかもしれないな、と思いながら先を急ぎ、無事に振られずに国道に戻ることができました。しかし、今にも降り出しそうな濃いグレーの空も見応えがありました。
国道をしばらく南下すると、右側に伊原間農園の売店があったのでおやつタイム。カットパインとマンゴージュースをいただきました。カットパインは甘く、マンゴジュースはやや青っぽい感じでしたが、それはそれでとても美味しく感じました。甘いマンゴーが出てくるのはもう少し先の季節のようです。店先のテーブルでパインを食べていたら、お店の方がパッションフルーツの果実をおまけでくださいました。ジィー酢などの加工品で味は知っていますが、果実そのものを見たのは初めてです。スプーンで中身をほじくって食べるということも初めて知りました。当然美味しいです。
農園にすぐ南に大きなT字路交差点があり右折。県道79号で島の西側に向かいます。12kmほど走って左折。ここからは今日一番のヒルクライムとなります。とはいえ、距離1.7km、平均勾配7.0%、最高勾配10.1%ですので、登れないという坂ではありません。
写真は撮れませんでしたが、この登りの途中でなかなか面白いものを見ることができました。坂をゆっくり登ってゆくと、道路上前方200mくらいに犬くらいの大きさの動物がいます。ただシルエットは犬ではありません。とはいえ、猫でもありません。やけに鼻が長く脚も結構長いです。その動物も自転車で登ってくる私を見ていたようですが、しばらくすると道路脇の森に入って行ってしまいました。結局、その場ではその動物が何かはわからなかったのですが、空港到着後に調べてみると、どうやら「リュウキュウイノシシ」のようです。Wikipediaでの説明がまさに私が見たものにぴったりでした。
坂を登りきると、そこから3kmほど下って空港につながる国道390号に合流します。この時点で午後3時半過ぎ、空港までは8km程度ですから、かなりのんびり行っても4時過ぎには到着できそうです。と思っていたら、残り5kmの付近で遂に雨に捕まりました。かなりの土砂降りです。20分くらいで雨が弱くなり出発。空港に到着した時には雨はほとんど上がっていましたが、こちらは全身びしょびしょでシューズの中まで水浸しになりました。でも、一日中暑い中を走ってきたので、ちょうどよいクールダウンになりましたし、濡れたウェアやシューズも空港に着いたらすぐに着替えることができるので、むしろ良い体験ができました。
空港に着いたら、昨日発見した自転車の整備スペースで着替えと輪行パッキングを行います。しばらくしてまた雨足が強くなってきましたが、屋根付きの整備スペースで快適です。
出発までは2時間半以上あるので、ゆっくりと作業できましたが、雨に降られるといつもは30分もかからない飛行機輪行パッキングに1時間近くかかってしまうというのは勉強になりました。身体を拭いたタオルやウェアやシューズなどびしょびしょになったモノたちをビニール袋にまとめるわけですが、通常よりも水を吸って重くなり、さらにかさばるので、いつもと同じように効率よく預け入れ荷物や機内持ち込み荷物を仕分けしてパッキングすることができません。それでも、搭乗開始の1時間半前には自転車とバッグを預け入れ、チェックインを済ますことができました。
最後に石垣空港の注意点。チェックインし後は、ターミナル内でお土産買ったりご飯食べたりして過ごし、搭乗40分くらい前に保安検査場に向かったのですが、石垣空港の保安検査場はキャパが小さくて、出発便の数が多い時間にはかなりの列となりがちのようです。確かに空港のアナウンスで「保安検査場には十分に時間をもってお進みください」の様な事を繰り返し言っていたようなのですが、決まり文句とタカをくくっていました。しかし、搭乗開始40分までに並んだ私が保管検査場を抜けられたのは搭乗開始の10分前と30分近くかかりさすが最後の方はちょっとヒヤヒヤしました。
2日間で素敵な景色を巡りながらグラベル混じりで島一周。食事も美味しくキャンプ場も最高。石垣島は自転車にとっても楽園でした。ぜひリピートして、今度はさらに脇道などディープに楽しみたい場所です。
本日の走行距離67.9km。
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